画像を見たときから気に入っていたスズキ・イグニスに試乗してみました。試乗グレードは最上位のMZ(2WD)で164万円。これにセーフティパッケージと全方位モニター付きメモリーナビを付けても189万円。もちろん4WDも選択でき、プラス13万程度です。200万に迫る軽自動車もあるなか、ハイブリッド＋四駆＋デュアルカメラセンサー＋全方位モニター＋ナビのほぼフルオプション状態でも200万チョイはかなり安いと思えます。
実車を間近で見てみると以外とコンパクト。デザイン的には四つのタイヤが踏ん張ってる感があり、写真ではそこそこサイズがありそうに感じていました。昨今人気の「コンパクト」SUVでも軒並み1700〜1800mmの横幅がある中、イグニスは1660mmと5ナンバーサイズに収まっています。「3ナンバーサイズのコンパクト」SUVに違和感を感じていた人には「本当のコンパクト」SUVになるかも知れませんね。全長/全幅/全高は3700/1660/1595(mm)で最低地上高も180mmあるので下を擦る心配もほとんどないでしょう。最小回転半径も4.7メートルと取り回しも良好です。
乗り込んで内装を見てみますが、まったく安っぽさはありません。コストダウンはしているのでしょうけど、デザインというか見せ方の工夫か「これでもいいかも」と思わせる内装です。写真では内装がとってもチープに見えたのでこれは実際に見て裏切られました。ポップな感じの内装がお洒落に感じます。
運転したフィーリングも良い意味で裏切られました。全く期待していなかったせいか、予想以上にしっかりしており好印象です。シートは硬すぎず柔すぎず、ゆったりふわふわ系の乗り心地ではなく、割としっかり系の足回りですが不快な感じはしません。ブレーキも奥まで踏めばしっかり効くタイプ。加速も車重が軽いせいか十分です。ハイブリッドの恩恵もあるかも知れませんが、坂道でもグングン加速してくれます。アルトワークスにSUVの大らかさを足したような感じでした。
燃費も28.8km/lと良い数字ですね。フルハイブリッドには敵いませんが、マイルドハイブリッドとして金額含めて良い落とし所に収まっていると思います。そういえば気になった点が一つありました。後部座席で乗り降りする際、頭部がルーフにぶつかってしまいます。ドアの開口部が低いのか自分の座高が高いのか分かりませんが、ルーフがドアにかけてラウンドしており狭くなっている印象です。ちなみに自分の身長は約170cmで、そう高い方ではないはずです。車内に入ってしまえば広さは問題ありませんが…。
あとはオプションが結構豊富で、デカールなどでモーターショーに発表された時のカラーリングを表現することもできます。色も組み合わせ次第で自分好みにするのも楽しそうです。
今まで自分の中ではスズキはあまりパッとしなかったのですが、アルトワークスから試乗を始めてずいぶんと好印象になってきました。「この金額でこの完成度！？」みたいに驚くことばかりです。何事も体験してみないと分からないものだとつくづく思いました。